【キガル新刊】The Roaring Story of Jazz-Age
- ritomasfrank
- 2017年8月8日
- 読了時間: 12分
どうも皆さん、キガル会長の田中りとますです。
8月も早1週間が過ぎ、気が付けば夏コミまであと2日。サークル参加の皆さん、一般参加の皆さん、スタッフ参加の皆さん、それぞれ準備は進んでいるでしょうか。 僕の方は、ブログの更新が2日前と言うギリギリになった事からもあんまり準備が進んでいない事が分かると思いますが、まぁ新刊はしっかり刷り上がっているので、残りの細々とした作業を何とか終わらせて当日は万全の体制で臨みたいと思います。
さてさて、ではここからはキガルの1年ぶりの新刊について詳しくお話しして行こうと思います。 始めに言っておきますが、今回のブログはかなり長くなります。
と言うのも、事前に幾つか情報を仕入れてこのブログを覗きに来てくださった勤勉で懸命な読者の皆様ならお気付きでしょうが、今回の新刊、ボリュームがハンパない事になっています。 入稿を終えてからの約3週間……Twitterや生放送、ニコニコ動画等で新刊についてかなり宣伝してきたつもりですが、正直『新刊の詳細』という部分は全く触れる事が出来ていません。
あ、特設ページはノーカウントです。あれは雰囲気重視で作ったものなので。
と言うわけで、未だ謎のベールに包まれたままである新刊詳細について、ここでは一つ一つ取り上げて丁寧に紹介していきます。お覚悟を。
さぁ、まずは新刊のタイトル、そして表紙がこちら。

『Call of Cthulhu Scenario Book The Roaring Story of Jazz-Age』
……と、なっております。
アメリカ語が分からない人の為に和訳を付け加えますと 『クトゥルフ神話TRPGシナリオ集 ジャズ・エイジの狂騒の物語』 ……と言った感じになります。
今回、あえて読みにくく伝わりづらい英語をタイトルに持って来たのかと言うと、まぁ単純にかっこつけた方だけです。 だって!アメリカのシナリオなら英語の方がかっこいいに決まってるジャン!
ですがご安心ください。英語なのはタイトルだけで、中身はしっかり全編日本語で書かれております。ヤッタネ!
……冗談はさておき、今回の新刊。 『クトゥルフ神話TRPGシナリオ集』と銘打っておきながら、なんとシナリオ集ではございません! どういう事だ!詐欺じゃないか!と声を荒げる前に、まぁ話を聞いてくれ。
正確には今回の新刊は『クトゥルフ神話TRPG ソース&シナリオフック&シナリオ集』です。 ただこれだと長すぎるので、タイトルは省略している、と言う訳なのです。
『ソース』とはなんぞや、と言う人もいるかもしれませんが、公式に例えるなら『クトゥルフ2010』や『アーカムの全て(完全版)』等、普段皆さんが『サプリメント』と呼んでいる物。あれは『ソースブック』と言われるものです。 そして『シナリオフック』は知っている人も多いと思いますが、シナリオを作る『きっかけ』やきっかけを与えるような情報の事です。
つまり、この本は僕が作成した『クトゥルフ神話TRPGのジャズ・エイジサプリメント』とも言い換えられるのですよ!多分!
さて、新刊がどんなものなのか分かったところでさっそく収録内容についてお話ししましょう!
今回の収録内容はこちら!

全部で3部構成。本誌に掲載されている内容は第2部までですが、第三3部のダウンロードコンテンツも本誌に負けない充実した内容となっています!
では約束通り一つずつお話ししましょう。
まずは第1部、ソース&フックから!
The History of Jazz-Age 『ジャズ・エイジの歴史』。こちらは、1914年に起こった第一次世界大戦から、1930年頃までのアメリカの歴史をざっくりと解説する『ソース』の部分その①。 多分、多くの人がジャズ・エイジに手を出してこなかった理由が『歴史に詳しくない』とかだと思うんですけど、そういった人達がジャズ・エイジへと踏み出すきっかけになる様な物を作りました。 但し、たった10年とはいえアメリカ黄金期の歴史を全て網羅するとそれこそとんでもないページ数になるどころかそれで本が一冊出来てしまうので、ここで触れているのはTRPGに役に立ちそうな物を僕の独断と偏見で抜きだした物です。 ソースブックとか大見え切ったものの、僕の力ではこれが限界でした……が、しかし、TRPGを遊ぶ上で知っておくと良いジャズ・エイジの時代背景については十分すぎる内容を説明しております!
これで物足りない、という人は是非その他の書籍にも手を出して、更にどっぷり沼につかってもらえればなと!
Jazz-Age People and Legend 『ジャズ・エイジの人々と伝説』。これは、前の章で解説した物から更に人物と事件をピックアップしてまとめたものです。ソース②。 アル・カポネやラッキー・ルチア―ノ、J・エドガー、エリオット・ネス、チャーリー・チャップリン……書こうと思うときりがないのでこのあたりで。 とにかく!そう言った人物と事件を中心にまとめたものです。ジャズ・エイジの歴史からさらに一歩踏み込んで知識をつける他、シナリオフックとしても活用してもらえればなと思っています。
Various Combat Rule 最後がこちら『特殊戦闘ルール』。シナリオフックの部分です。 そもそもクトゥルフ神話TRPGの戦闘は、殴る、殴られるの繰り返しでお世辞にも面白いとは言えません。そもそもそういうシステムでは無いのですが……。 しかし、せっかくのジャズ・エイジで銃火器を持ったのなら思う存分戦闘がしたい、となるのが普通でしょう。 ここではそう言った要望に勝手にお答えして『討伐戦』『耐久戦』『海上戦』『大乱闘戦』『チェイス』の6種類の特殊なシチュエーション、敵NPCとの戦闘で汎用的に使用できるルールをまとめました! そのままシナリオに落とし込むことはもちろん、アレンジして使っても良いでしょう。ここで紹介する戦闘からラスボスを設定してシナリオを作っても面白いかもしれません。 基本的には銃火器での戦闘を前提としていますが、今まで書いた現代日本シナリオで作成したギミック、ルールなども収録しているので、アレンジ次第ではどの時代でも活用可能です!
……と、ここまでが第1部の内容です。主にシナリオ製作者向けですが、今までPL専門だった人もこれを機にシナリオを書いてみては? 当然、これらのシナリオフックを使用して作成したシナリオはネット公開やコミケ頒布などもOKです。広まれジャズ・エイジの輪……!
さてさて、お次は第2部。こちらはシナリオパート。1925年が1本、1927年が1本、1930年が2本で、計4本のシナリオが収録されています。 ここでは、4本のシナリオそれぞれについて簡単に紹介します。
『大怪盗アルバトロスと最後の秘宝』 ニューヨーク、マンハッタン島を舞台としたシティシナリオ。 探索者達は大怪盗アルバトロスから予告状が届いたという、退役軍人にして富豪のライオネル・トランスフィールドという男から、屋敷の護衛の依頼を受けます。 しかし事件を調べて行くとそこに潜んでいたのは、アメリカを揺るがしかねない規模の大事件だった…? ハチャメチャお祭りシナリオその1。表紙に写ってるアルバトロスが登場するシナリオになります。特に女性に好評でした。心を強く持たないと堕ちます。心して遊んでください。 立ち絵は接続設定さんに描いていただきました! アルバトロスとアーサーに堕ちる女性が多発した要因の一つは間違いなくこの立ち絵です。とんでもない仕事をしてくれました。 流れで表紙も書いていただきましたが、いやもう…素敵…好き…。 …あ、はい。このシナリオはこんな感じです。次。
『異世界からの遺書』 アーカム(?)を舞台としたシティ(?)シナリオ。 ケネス・ヒース探偵事務所に入り浸る探索者達は、ある日一人の女性から不審死を遂げた父親について調べてほしいと依頼を受ける。彼女が持ってきた遺品の1つ、アーカムによく似た街の地図にはセイラムと書かれていて…? これもハチャメチャお祭りシナリオです。戦闘マシマシ。沢山ギミックと特殊ルールを取り入れたので、飽きずに戦闘を沢山遊べると思います。 あとはまぁ、とある方への最大限のリスペクトです。これは。皆さんも良く知っている方でしょう。 なんとなくタイトルとセイラムというワードからネタバレ感が半端ないですが、そこは気にせずしたり顔でKPしてください() ネタを詰め込み過ぎて飽和状態なので、捧腹絶倒の末に呼吸困難になって救急車で運ばれても僕は一切の責任を負いません。心して遊んでください。
『永き旅路の果て』 世界恐慌の到来したシカゴを舞台としたシティ・シナリオ。 世界恐慌の影響で職を失い、とあるバーにチェイサーだけを煽りにたむろしていた探索者達は、若きギャング構成員から「行方不明となった会計係を探してほしい」と依頼を受けます。シカゴを奔走しながら調査を進めていくと、この街で起こった様々な事件にある共通点を見出していき…。 概要説明ではこう書きましたが、このシナリオは導入が2種類あって『無職バージョン』『探偵事務所バージョン』から選んでシナリオを開始することが出来ます。初心者向けは後者ですが、前者でもまぁ問題なく遊べると思います。 ここからは少し暗い雰囲気のシナリオ。1929年に起こった世界恐慌後のシカゴを舞台としたシティシナリオです。 が、これはまだ甘めです。RP次第では明るくも暗くもできます。 ……但しかなり情報量が多く、探索箇所も多いシナリオで、恐らくこのシナリオ集の中では一番物量的に重いシナリオです。心して遊んでください。 また、約2年前の冬コミで出した既刊より再録となります。ストーリーに変更はありませんが、シナリオ内時間調整を簡単にして遊びやすくしました。 それと2年前には無かったんですけど、新しく立ち絵が付きます。めっちゃかっこいいです。べにあづまさん好き。
『黄昏に死を穿て』 ワシントン州のとある山村を舞台としたクローズドシナリオ。 世界恐慌後のワシントンD.Cで起こった吸血鬼事件。探索者達はそれぞれの思惑を抱え、一路ワシントン州にある山あいの村、ハーライトを目指す事となる……。 これはちょっと、ネタバレしたくないんでざっくりとしか説明できません。
ハンドアウトが2種類あって、4人で遊ぶなら2:2に分かれて遊ぶ、みたいな感じになります。ただまぁ、PvPではないのでご安心を。 これと『異世界からの遺書』の立ち絵。『永き旅路の果て』を除く3本のシナリオの挿絵はソラさんに描いていただきました。かわいい、かっこいい、好き。どれも素敵なことは間違いないのですが、このシナリオの挿絵が一番『キます』。覚悟しておいてください。 雰囲気的に、精神的に、一番重いシナリオです。心して遊ばないと深い傷を負うことになります。要注意。 情報量もさることながら、戦闘にも少しこだわったシナリオなので、雰囲気に流されず楽しく遊んでもらえたらと思います。
……さて、以上が収録される4本のシナリオのあらすじです。全てのシナリオにはNPCの立ち絵が2~3体ずつ付属して、更に挿絵が1枚ずつ挟まれます。
もうここまででかなりおなか一杯だと思いますが、まだあるんですよ。 もう少しお付き合いください。
『ダウンロードコンテンツ』 DLCの目玉は何といっても全13曲のオリジナルサウンドトラック。全作編曲はすいっちさんにお願いしました! もちろん、収録シナリオをテーマに作成していただいた物もいくつかありますが、多くはジャズ・エイジシナリオを遊ぶのに汎用的に使用して頂ける様なものになっています。 ただまぁ、ちょっと納期が……ギリギリになるので……配信は8/15とかになるかもしれません……いやほんとギリギリまで分からないので……申し訳ねぇ……。
それから、制作者であるすいっちさんからも許可を頂き、BGMはニコニコ動画等で制作する新刊収録シナリオのリプレイ動画に使用する事が出来ます。強すぎる。 『じゃぁシナリオはどうなんだよ』と思ったそこのあなた。ご安心ください。今回収録される4本全て、動画化フリーです。 ただまぁ、この辺の事適当に『全部OK!』とは言えないので、詳しくはDLC付属の利用規約を読んでください。 それから、今までに頒布したシナリオ集も、今回から全て動画化フリーとなります。やっちゃダメなことはコミケでリプレイ頒布くらいになりますね。オンライン生放送セッションももちろんOK。
それと、キガルのシナリオ集ではいつもやっていることなのですが、シナリオ内で探索者達が手に入れる情報をまとめた物とか、イラスト関連全てがDLCとして付属します。オンセでもオフセでも役立つこと間違いなし! シナリオ情報集については、前回までPDFデータでの配信でしたが、オンセ民の方々から『文字化けする』というご意見を多くいただいたので、PDFデータとtextデータで分けました。これで皆もう打ち込まなくていいよ!やったね!
また、先ほど説明した『History of Jazz-Age』に関して。 こちら、なんと簡略化した物をPDFファイルにしてDLCとして収録します。これはジャズ・エイジを全く知らないという人達の為に、コピーしてセッション前に読んでもらったり、オンセならファイルを共有して読んでもらったり……といった感じに活用してもらえればと思っています。 ……ただ、まぁ、これを見せる時には『詳しく知りたいならこのシナリオ集に載ってるよ!』と宣伝してもらえると……ありがたいです……。
……と言う訳で、まとめると今回の頒布内容はこんな感じになります。改めて自分で見てもちょっと頭おかしいなって思います。去年の夏コミで頒布した『夜明けの空に』の約1.5倍のページ数ですし。ここまでの説明に5000字程使っていると言うのも、如何に新刊が『濃い』物であるか分かって頂けたと思います。
まぁ、そんなこんなでこれだけ詰め込むとA5判/170p 会場頒布価格は2000円と、今までより割高になります……こればっかりは申し訳ない……僕の力だけではどうにもならんのだ……。 通販になるとこれよりもまたすこーし高くなってしまうので、ぜひ会場まで足を運んでお手に取っていただければなと思います。
ちなみに通販のリンクはこちら。
さてさてさて……如何だったでしょうか。 このブログを読んで少しでも『欲しい!』を思って頂ける方が増えたらいいなと、そんな事を考えながら書きました。 ジャズ・エイジを遊んだことがある人も、ない人も、絶対に楽しんでもらえる1冊である事は間違いないので、コミケ当日にぜひスペースまで遊びに来て頂けたらなと思っております。
……で、肝心のスペースについてですが、この記事とは分けたいので別記してあります。 当日の情報については『C92 夏コミスペース情報』の記事をご一読くだされば幸いです。 そちらではこれとは別にもう一つ、今回委託する事となったサークル『兎合の衆』に寄稿したシナリオについても軽く触れるので、ぜひ。
では、最後まで読んで頂きありがとうございました! このブログを読んだ方の一人でも多くが、ジャズ・エイジの冒険に挑戦することを願っています!
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